☆写真講座 <1-2. カメラ選び、レンズ選び【一眼レフ?ミラーレス?デジタルカメラ編】>
今回の記事について
こんにちは、いしがみです。
今日は前回の続きで、デジタルカメラについて書いていきます!
ちなみに結構長くて難しい話になってしまったので先に結論を言っておくと、一眼レフかミラーレスか、という問題はそんなに大きな問題ではないです。
なので細かいところは読み飛ばしてもらってもいいと思います。笑
さて、それではさっそく前回出した下の4つのうち、今回は(2)のミラーレスについてのところまで、それぞれ見ていこうと思います。
(1)デジタル一眼レフカメラ
(2)ミラーレス一眼カメラ(ミラーレスレンジファインダー型カメラなども含む)
(3)コンパクトデジタルカメラ
(4)その他(360度カメラ、GoProのようなアクションカメラなど)
①デジタルカメラ
(1)デジタル一眼レフカメラ
まずはデジタル一眼レフカメラから。最初に特徴をあげるならこんなかんじ。
特徴:
- 基本的にレンズ交換できる
- スタジオやオリンピックなどでプロも使う
- 本体やレンズはミラーレスなどに比べて大きくなりがち
- バッテリー持ちはミラーレスよりいいことが多い
- 見た目がいわゆる”プロのカメラっぽい”のでちゃんと撮れそうだと思ってもらえる
いわゆる「一眼レフ」、「デジイチ」なんて言われるのがこのカメラです。
カメラを買おうと思ってます、という人がイメージするのは多分これか、後述のミラーレスのどちらかではないかと思います。
特徴について補足すると、ミラーレスに比べて大きくなりやすい理由は、本体の中にミラーが動く部分があったい、ファインダー(除くところ)の設計の関係でどうしても大きくなります。
反面、バッテリー持ちはミラーレスよりいいことが多いです。理由としてはミラーレスはほぼ常に液晶画面を表示状態にしておくので、画面の表示に電気を消費してしまうから電池持ちが悪い、という理由があります。その意味では一眼レフでも、ファインダーではなく液晶に表示して撮ることも出来ますが、その使い方をするとミラーレスと同じか、それよりも早く電池がなくなります。
あとは見た目が”プロっぽい”というのは、やはりカメラをあまりよく知らない人にとってはこの「一眼レフ」のかたちのカメラこそがプロカメラであり、ちゃんと撮ってもらえそう、と思ってもらいやすいです。ミラーレスのちっちゃなカメラだと、この人のまかせて大丈夫か?となってしまうのもまぁ分かりますよね。笑
一眼レフの例としては例えばこんなのがそうです。↓
Canon デジタル一眼レフカメラ EOS Kiss X8i レンズキット EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM 付属 KISSX8I-1855ISSTMLK
- 出版社/メーカー: キヤノン
- 発売日: 2015/04/17
- メディア: Camera
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ちなみに余談ですがなぜ「一眼レフ」と言うのかというと、一眼はレンズが1つだから一つの眼、「レフ」はレンズの奥の鏡に反射(リフレクション)して、そこに写ったものがファインダー(のぞくところ)から見える、という仕組みだからこういう名前になってます。
上のEOS kissや、Nikonで言えばD3400といった初心者向けのものから、下のD5、Canonで言えば1DXmarkⅡ、のような本体だけで50万円以上するものまであります。さらに言えば、中判デジタル一眼レフ(ペンタックスの645Zといった機種)のように本体だけで100万円以上するようなものもありますが、あまり一般的ではないため、今回はパスしようと思います。
ただ、後で解説しますがこの「中判」は立体感やボケ具合では「フルサイズ」のさらに上を行く画質を出せたりもするので、ちょっと他の人とは違う写真やワンランク上の画質に興味があれば調べてみてください。
こんな人におすすめ
一眼レフの特徴を書いてきましたが、一眼レフはこんな人におすすめなのではないかと思います。
- カメラで撮影をしている、という気分を味わいたい人
- 仕事で何かを撮影する人
- 動きの激しいものを撮りたい人
ちなみにレンズ交換して、美しいボケのある写真を撮りたい、というような要望に関しては一眼レフでもミラーレスでも大きな違いはないので、それ以外の条件を書いてます。
一眼レフはかなり昔からあるもので、ミラーレスカメラよりも技術の成熟度は高いので、一言で言ってしまえば安定したパフォーマンスで確実に撮りたい、という人はミラーレスよりも一眼レフの方がおすすめだといえます。
ただ、近年ではミラーレスカメラもかなりの技術レベルになってきて、仕事でもつかえるレベルのものも増えてきているのでそのあたりは必ずしも「一眼レフ」でなくてはいけない、という理由は減ってきているように思います。
(2)ミラーレス一眼カメラ
お次はミラーレス一眼カメラ(以後ミラーレス、と省略します。)です。
一眼レフとは何が違う?
「ミラーレス」ということについて話そうとすると一眼レフとは何が違うの?どっちがいいの?という事をほぼ必ず聞かれるので始めにお答えしておきます。
違いは色々ありますが一言で言うと、「ピント合わせの方式が違う」という所だと思います。これだけ聞くとえっ?って感じですね^^;なので理由を説明します。
ミラーレスカメラは、という名前の通り、ミラーが無いカメラで、一眼レフはミラーがある、という事と分けるためにこのような名称で呼ばれています。ではミラーがないとなぜピント合わせの方式が違うのか、というと、一眼レフの場合はレンズから入った光の像がミラーに反射して、オートフォーカスを行う部分に光が入り、それによってピント合わせを行っています。そしてピントが合ってシャッターを押し込むと一瞬だけミラーがあがり、センサー(撮像素子)に光が届く、という形で写真を撮ることが出来ます。(下図参照。)
出典:日経電子版より
それに対してミラーレスではもともとミラーがないので、レンズから入った光は常にセンサーに 当たっていることになります。なので、ピント合わせを行う時はこのセンサーに入った光の情報をカメラが計算して、ピント合わせを行っているという事になります。
このような違いのため、一眼レフでは「位相差AF」という、光のセンサーに届くまでの距離の差を利用したオートフォーカス方式を採用しているのに対して、ミラーレスでは「コントラストAF」といって、センサーに移ったものの色が同じか違うかで被写体の距離を判別するような方式を採用しているため、ピント合わせの方式が違う、という事になります。(これは説明のためにかなり雑にかみ砕いて書いていますので、正確なことを言えばちょっと違ってたりもしますが、大まかにはこんなところです。)
ピント合わせの方式が違うとどう違う?
ではこのピント合わせの方式が違うと性能にどのくらいの差が出てくるのか、という事ですが、こと2017年現在のカメラについていえば、そこまで大きな差はなくなってきた、といってもいいと思います。もちろん仕事としてウェディングやスポーツなど、一瞬を逃せないものの撮影については、まだ一眼レフの方が性能が安定していて勝っている所もあります。ですが風景や友達を撮影する、などの趣味の範囲で言えばほぼ変わらないといってもいいです。
ちなみに一眼レフでもミラーレス同様、液晶画面でミラーレスのような撮影をすることも出来ますし、逆にミラーレスでもコントラストAFだけでなく位相差AFも利用したオートフォーカスを行うカメラも出てきています。
これについてはオートフォーカスの方式の違い、よりも各メーカーのカメラの性能の違いといった所も大きいですが、とにかくそんなに差はないです。
つまり、一眼レフかミラーレスか、という問題はそんなに大きな問題ではない、というのが私の結論です。笑
特徴
さてさてようやく特徴です。笑
ミラーレスの特徴としては、この2点に尽きるのではないかと思います。
- 画質は一眼レフとほぼ同じ小型軽量のものが多い
- 設計が自由な分色々なデザインのカメラがある
- 電池持ちはやや悪い
画質についていえば、先ほど述べた通り、一眼レフとの違いはピント合わせの方式の違いであって、画質の違いはほぼ無いです。ほぼ、と付けたのは細かい事突っ込まれた時用の逃げ道であって、まぁ違いは無いです!
そしてミラーがない分小型に作ることが出来、またミラーがないおかげでレンズも小型に設計することが出来ます。
(ミラーがあると、レンズのマウント部分(レンズと本体のくっつく場所)からセンサーに光が届くまでに距離があるので、その分レンズも大きくなります。気になる人はフランジバックの説明なんかを読んでみるとよいかと。)
そして設計が自由な分、色々なデザイン・形のカメラがあります。
反面、一眼レフのような光学ファインダーがないため、何が写るのかを見るには常にセンサーに入った情報を計算してモニターや電子ビューファインダーに表示させておかなくてはいけないため、電池を食います。
ミラーレス一眼カメラの例
さて、それではミラーレス一眼の例を見ていきましょう。
はじめに下の画像をご覧ください。
色々な形のものがありますが、これ、すべてミラーレス一眼カメラです。
左上からニコンの自撮りもできるミラーレス、左中はOlympusのミラーレス初期からあるカメラ、左下はキヤノン、右上はPanasonicのものでほぼ一眼レフと同じサイズですがこれもミラーレスです。右中はソニーのもので小型軽量ながらフルサイズの大きなセンサーを搭載したもの、右下は富士フィルムのレンジファインダーという型のカメラですがこれもミラーレスです。
これを見ただけでも非常に色々な形のものがあるのはお分かりいただけるのではないでしょうか?膨大な量になるので個別に解説することはせずに別でおすすめ機種の紹介記事の時に書いていこうと思います。笑
こんな人におすすめ
ミラーレスカメラはどんな人におすすめかというと、大きくて重いのはいらない、でも綺麗な写真を撮りたい!という人です。上に書いた通り、一眼レフと比べると小さ目で軽いものが多いのでおすすめです。
ただ、ミラーレス=初心者向け、というわけではなくSonyのα7シリーズなどはミラーレスで小型ながらもフルサイズのセンサーを積んでいて、ニコンやキヤノンの大きな一眼レフをしのぐ画質のものもあったり、富士フィルムのカメラもAPS-Cサイズのセンサーながら、優れたデザインと優れた画質で、フルサイズに引けを取らない画質であったりするものもあるので、どちらもプロで仕事で使われているケースも多々あります。
初心者向けとプロ向けの違い
ここまで一眼レフとミラーレスを見てきましたが、それぞれに初級者向けのものとプロフェッショナル向けのものがあるというのはお分かりいただけると思います。では初心者向けのものとプロ向けのもので何が違うかという事について少し見てみます。
- 耐久性:プロ向けのものは過酷な環境でも取れるよう、防塵防滴だったり、氷点下でもちゃんと動作したりします。本体も、初級者向けはプラスチック製が多いですが、プロ向けはマグネシウム合金といった剛性な金属で出来ていて、物理的にも丈夫です。
- 連射速度:これは一概には言えませんが、オリンピック撮影などで使われるようなカメラは、一瞬をとらえるために一秒に10コマなど撮れるようになっています。最近は初級者モデルでもそれなりに連射が出来るようになっていますが、やはり差はあります。連射性能は後述するミラーレスカメラの方に軍配が上がるかもしれません。ちなみにもっとうるさいことを言えば、シャッターを押してから実際にシャッターが切れるまでの速度(レリーズタイムラグ)もプロ向けの方が0.00~秒とか早かったりもしますが、正直スポーツや鳥とかを仕事として撮るのでなければあまり関係ないです。w
- オートフォーカス:これは初級者向けとプロ向けでだいぶ差があるように思います。オートフォーカス(平たく言えばピント合わせのことです。)の速度や精度も違ってますし、そもそもフォーカスポイント(ピント合わせるときの枠みたいなもの。iPhoneとかでも黄色い枠が出てきますね。あれと同じようなものです。)の数も違っています。
- 機能性・利便性:これは例えばボタンやダイヤルの数が違っていたり、外部モニター出力端子があったりなかったり、後はカメラの上にサブ液晶が付いていて、わざわざ背面の液晶を見なくても設定が分かったりというメリットがあります。あとは大抵上位機種の方がバッテリー持ちがよかったりします。
今回のまとめ
さて、今回はデジタルカメラの中でも一眼レフカメラとミラーレス一眼カメラ、について、そしてその初級者モデルとプロフェッショナルモデルの違いについてでした。
何人かからリクエストもいただいて、早く撮影の話の方に行きたいのですが、もう少々お待ちください。。!
次回はデジタルカメラの
(3)コンパクトデジタルカメラ
(4)その他(360度カメラ、GoProのようなアクションカメラなど)
そしてフィルムカメラの概要について書いていきたいと思います。
最後まで読んでいただいてありがとうございました!(^.^)