☆写真講座 <1-1. カメラ選び、レンズ選び【センサーの大きさとカメラの種類】>
https://www.instagram.com/p/BdFpY3zg_QO/?taken-by=ryo_ishigami
こんにちは、いしがみです!
さて、前回カメラを選ぶ時の観点について書いてみましたが、今日はもう少し具体的に、カメラの種類やフォーマットについてのお話をしてみたいと思います。
ミラーレス?一眼レフ?フィルム?よくある質問
「社会人になって何か趣味でもと思って写真でも始めようかと思うんだけど、カメラはどれがおすすめ?」
「ミラーレスと一眼レフ、どっちがいいの?何が違うの?」
「フィルムカメラの雰囲気が好きだけどデジタルでもあの雰囲気出来るの?」
カメラを始めたての方や始めようか迷っているという方からよくこんな事を聞かれます。
…はじめに結論から言ってしまえば、デジタルについていえば最近のカメラはどれも性能はいいので、用途を考えなければどのカメラでも大丈夫です。笑
それよりもズームじゃない単焦点レンズと言われるものを買って、少し編集の仕方覚える方がよっぽどいわゆるインスタ映えする写真が撮れます。笑笑
ちなみに私は大きな一眼レフと、小さなミラーレスを使い分けてます。次回の記事で、こういう用途にはコレ!という個人的なおすすめを書きますが、今回はまずカメラにはこんな種類がある、というのをご紹介します。
ではもう少し細かく見ていくことにしましょう。
センサーの大きさ【フルサイズ、APS-C、フォーサーズ】
本当はセンサーサイズの話はちょっと小難しく聞こえるのであんまり書きたくなかったんですが、やはりカメラを買う時に店員さんから聞いたりすることも多いと思うので解説します。
まず、市場に出回っているカメラのセンサーサイズについて、下の図をご覧ください。
(画像はこちらのサイトから拝借しました。リンク元にも解説書いてあるので見てみてください!
http://c-camera.com/camera/page236.html)
普段よく使っているiPhoneなどのカメラは一番左くらいのサイズなのに対して、一般的な一眼レフ、ミラーレスカメラのセンサーの大きさはフォーサーズ、APS-C、フルサイズと言われるサイズで、こんなにも大きさが違っています。
フルサイズ、APS-C、フォーサーズ、の順です。お値段ももちろん機種によって違いますが、一般には大体この順になっています。
センサーの大きさが違うと何が違う?
ではセンサーの大きさが違うと何が違うのでしょうか。フルサイズなどのセンサーの大きなカメラだとどんなメリットとデメリットがあるのか、
- 美しいグラデーション、ボケの写真が撮りやすい
これが大きなセンサーのカメラを使う時の最大もメリットではないでしょうか。是非下記のサイトなどで色々な作例を見てみてほしいですが、iPhoneなどでは空のグラデーションが破たんして、雲のところが白く飛んでベタっとしてしまう所でも、大きなセンサーのカメラではグラデーションをちゃんと出した写真を撮りやすいです。
あとは、iPhoneなどのスマホで撮ったものは比較的全体にピントが合っているような感じであまりボケているな、という感じではないと思いますが、センサーが大きいと大きなボケの写真を撮りやすいです。
(ボケについては、正確にはレンズのF値(絞り値といわれる値)、被写体との距離、レンズの焦点距離(50㎜のレンズ、とか書いてあるやつです。)、あとはそのレンズの特性なんかが影響してくるんですが、その辺りはやや細かい話になるのでまた別で書きたいと思います。)
- 暗いところでもきれいに撮れる
もう一つの大きな利点は、暗いところでもきれいな写真が撮りやすい、という事です。スマホで夜の写真なんかを撮られた事がある方は分かると思いますが、夜空がノイズでざらざらして、顔も肌の色がおかしな色になってしまう、なんてことがあると思います。
センサーの大きなカメラだと、センサーが大きい分たくさんの光を取り込むことが出来るので、暗いところでもたくさんの光をセンサーにうけることが出来て、結果ノイズの少ない画像を得ることが出来ます。 - レンズと本体合わせると大きく重くなる
いいことずくめかと思ってしまうかもしれませんが、デメリットもあります。そうです、センサーが大きいという事は、カメラ自体が大きくなるだけでなく、そこにたくさんの光を取り入れるためには一般に大きなレンズも必要になってきます。
下の写真はオリンパスさんが公開している図ですが、オリンパスが採用しているフォーサーズというセンサーサイズだと、焦点距離16㎜~200㎜までをF2.8でカバーするのに2.2㎏なのに対して、右の35㎜DSLR(=フルサイズ)では4.3㎏と倍近くになっている、という図です。
私も大学に毎日全部で5㎏くらいのカメラ機材をしょっていたので、軽さがいかに大事か、というのはよーくわかります。
オリンパスのフォーサーズを使っている有名な方で言うと、写真家の岩合光昭さん(ねこあるき、など見たことある方多いのでは?)などがいます。
ただ、重くて大きいとよくないかというと一概にそうも言えず、重くて大きいと手の大きさにもよりますが、持った時に安定しますししっかり構えられます。あとはフィーリング的なところでも、「写真を撮っている」感は本人的にも周囲の人から見てもあるかと思います。
つまりは・・・
センサーの大きさにまつわることについて、ボケやグラデーション、暗いところで撮れること、大きさ・重さのことについて書いてきましたが、要は「センサーが大きいと綺麗な写真が撮れる、けど重い」ということです。
なので、ここを前回の記事で書いた3つの観点、
- 携帯性
- 機能性
- フィーリング
と照らし合わせて、自分に最適なセンサーサイズのカメラを選ぶ、というのが正解になると思います。
後で機種名なども出した記事を書こうと思いますが、初めての方で、写真をそんなに本気で撮るかは分からない、という方はフォーサーズ(オリンパス、Panasonic)か、APS-C(キヤノン、ニコン、ペンタックス、富士フィルム)のどちらかをおすすめします。
なぜなら大きさと性能のバランスがいいから。
【補足】センサーが大きいとモノを大きく撮れない・・・?(ちょっと難しい話なので読み飛ばしてもいいです。)
センサーの大きさにまつわる話で、初めのうちはなかなか理解しづらいけれど意外と大事なこととして、センサーが大きいとモノを大きく撮りにくい、というのがあります。どういうことでしょうか?
詳しいことの説明は省きますが、レンズにはそれぞれ「最短撮影距離」と「最大撮影倍率」、というのがあります。これはそれぞれ何かというと、最短撮影距離は、被写体とカメラのセンサーとの距離(レンズの先端との距離ではないです)が何センチか、という距離のことです。そして最大撮影倍率とは、センサー上で被写体が実物に対して何倍で映るか、です。
理屈が正確でなくなることを恐れずにかなり噛み砕いて言えば、
- 最短撮影距離:どこまで近づいて撮れるか
- 最大撮影倍率:どれだけ大きく写せるか
です。
これらの数字が大事な理由としては、実際によくある不満があります。
「寄って撮れない」。
多くの初心者にとって、最初に手にするズームでないレンズは、換算50mm(レンズの焦点距離はフルサイズの焦点距離を基準にするので、例えばフルサイズで30mmのレンズは、APS-Cのカメラでは45mmになります。よくわからない人は、換算なんmm、という数字がそのカメラでの数値になります。)の単焦点レンズでしょう。(なぜなら大抵安価だから入門用に買う人が多いので。)
そしてテーブル上の食べ物を座ったまま撮る時、多くの場合カメラ(正確にはカメラセンサー)と食べ物の距離は35cm程度だと思います。
そして多くの50mmレンズの最短撮影距離はこの35cmよりも長く、45cm程度です。(Canonの場合は35cmで、なおかつ安い50mmレンズがあるのでそんなに問題ないですが。)
すると何が起きるかというと、「座ったままじゃ食べ物の写真撮れないじゃん」ということが起きます。
こうなると、いろいろな食べ物を撮ろうと思ってカメラを買った人にとっては、立派なカメラを持ち出さない理由ができてしまいますね。
もう一つ、最大撮影倍率というのが大事な理由は何かというと、何かいい被写体を見つけて撮ろうとした時に、そのものを大きく写すことができなかったら、全然撮りたいものが撮れない、という風になってしまうからです。この問題は特に85mmなど中望遠系の単焦点レンズを買った時や、比較的寄れるものが多い35mmの単焦点で、カールツァイスなど高級レンズを買った時です。
一般に、被写体に非常に近づいて撮る、つまり最短撮影距離周辺で撮るというのはレンズにとって厳しい条件になります。なので、最短撮影距離を短くしようとすると、どうしても画質が劣化してしまいます。そのため高級レンズでは逆に画質を優先するために近づいては撮れなかったり、解放F値(F値とは絞りの値のことで、正確には誤りですが、感覚としてはこれが小さければ小さいほどボケます。)という数字がやや高くなっていたりします。
そして同じ焦点距離のレンズであれば最短撮影距離が短いほど最大撮影倍率は大きくなります。例えば35mmのレンズで30cmまで近寄れるものと25cmまで近寄れるものであれば、25cmまで近寄れるものの方が大きく写せる、ということになります。
いろいろごちゃごちゃ書きましたが、これらを気にした方がいいのは、単焦点レンズと言われるズームレンズではないレンズを買う時だと思いますので、単焦点レンズを買う時は、特にちょっと気に留めておいてください。あ、あとは古いレンズ買う時も注意です。古いものは設計が古いので、近づいて撮影できないものも多いので。
カメラの種類について
センサーサイズのざっくりとした解説をしたところで、カメラにはどんな種類があるか、整理してみましょう。(たぶん列挙されてもよくわからないと思うので、ふーん、そんなのがあるんだ、くらいのつもりで大丈夫です。)ちなみに、この後の記事でおすすめするものは主に①の(1)と(2)のものになります。
あとは、先ほどのセンサーサイズの話は、デジタルに限った話ではなくて、フィルムでも一緒です。というより元々カメラはみんなフィルムで、35㎜フルサイズ、といういい方は、35㎜フィルムと同じ、フルのサイズ、という事でフルサイズと呼ばれています。
余談ですがAPS-Cは古いムービーフィルムでスーパー35㎜と言われていたフィルムと同じ大きさです。
(1)デジタル一眼レフカメラ
(2)ミラーレス一眼カメラ(ミラーレスレンジファインダー型カメラなども含む)
(3)コンパクトデジタルカメラ
(4)その他(360度カメラ、GoProのようなアクションカメラなど)
(1)フィルム一眼レフカメラ
(2)レンジファインダー型カメラ
(3)レンズ一体型カメラ
(4)二眼レフカメラ
ざっと一覧するとこんな感じです。大きく分けるとデジタルカメラとフィルムカメラの2種類があって、それぞれ大体3つか4つに分かれているという感じです。次回以降の記事でデジタルとフィルムそれぞれについて解説していこうと思います。
今日の話のまとめ
今日はセンサーサイズの話をして、その後でカメラの種類の概説をしました。初級者向け、という事で言うと、APS-Cかフォーサーズのデジタル一眼レフ、もしくはミラーレスを買うのが良いのではないかという感じです。
それではそのあたりの理由なども含めて次回書いていきます!
今日はここまで。読んでいただいてありがとうございました!